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掲載日:2022年5月31日
樹種・林齢・成育などが一様な森林の一団(林分)において、個々の樹木(個体)の直径・樹高・生存率を推定できる数理モデルを構築しました。林分から収穫できる木材の容積(材積)をより正確に予測することが可能となり、森林の持続的経営への寄与が期待されます。
数理モデルは、四国地方のスギ林を対象事例として構築し、約50年間の推移を予測したところ、林分の材積(図1左)と林齢ごとの直径分布(図2)の推移を高い精度で予測できました。
林分をひとくくりにして材積を予測する現行システムの下では不可能だった間伐木の選択や、間伐後の残存木の成長を個体単位で推定することが新たな数理モデルにより可能となります。
新モデルは推定を重ねると誤差が大きくなってしまう面がありますが、途中で実測データを追加することで補正できると考えられます。
(本研究は、2022年3月にCanadian Journal of Forest Researchにおいて公表されました。)
図-1 林分材積の予測値と実測値の関係。個体の胸高直径・樹高から個体の材積を算出し、立木密度により加算したものを林分材積とした。図中の緑線は予測値、黒線は実測値を示す。
※記載論文の図を一部改変して使用した。
図-2 直径分布の推移の予測結果。図中の緑線は予測値を示す。
※記載論文の図を一部改変して使用した。
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