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掲載日:2023年1月20日
新たな造林樹種として近年注目されている早生樹コウヨウザン(広葉杉)*は建築用材の基準強度(設計時に用いる強度の基準)でアカマツなどと同じグループに含めることが妥当であることが研究グループの強度試験で分かりました。コウヨウザンの基準強度が今後適用されれば、建築用材として安心して使うことができ、より短いサイクルでの木材生産・利用につながることが期待されます。
研究グループは、コウヨウザンの破壊試験を行い、建築物の設計で重要な曲げ・圧縮・めり込みなどの各種強さを調べました(写真)。その結果、コウヨウザンはおおむねアカマツなどと同じ基準強度のグループに含めることが適切であることが分かりました。
コウヨウザンはこれまで積極的に造林されず、建築用としてあまり使われてこなかったため、現在、基準強度の対象外となっています。
*中国・台湾原産のヒノキ科コウヨウザン属の常緑針葉樹。中国では木材利用され、日本には江戸時代以前に渡来しました。現在、主に木質バイオマス利用などを目的に造林が試みられています。
(本研究は、2023年1月に森林総合研究所研究報告において公表されました。)
写真:コウヨウザンの曲げ破壊試験の様子
図:コウヨウザンの曲げヤング係数と曲げ強さとの関係
日本国内3地域で植栽されたコウヨウザンの曲げ破壊試験の結果とアカマツなどの基準強度。材料のたわみにくさを表す「曲げヤング係数」に対応した「曲げ強さ」の基準値を階段状の黒実線で示しています。
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