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掲載日:2023年1月27日
初期に間伐*1) を繰り返したカラマツ人工林は120年生でも成長が衰えていないことが、秋田県内の国有林に設けられた試験地の調査で分かりました。
調査対象のカラマツ林は1899年に植林され、1917年に3パターンの間伐(図参照)が行われた後、森林総合研究所が100年以上にわたり直径や樹高、材積などの成長経過を調査してきました(写真)。その結果、120年生を迎えた現在でも幹の肥大成長が衰えず、材積(立木の木材部分の体積)が増え続けていることが分かりました。このカラマツ林では初期に間伐を繰り返したことで、後々まで個体の旺盛な成長が維持できたと考えられます。また、間伐パターンが異なっても、長期的にみると総材積*2) の増え方に大きな差がないこともわかりました(図)。最も盛んに材積が成長しているのは60年生から90年生の間で、この間に伐採すれば効率よく木材を収穫できると考えられます。これらの成果は長期的な観測によってはじめてわかるもので、今後もこの試験地でデータをとり続けて行くことが重要です。
*1) 間伐:木を間引きすること。
*2) 総材積:間伐した木や現存する木の材積を合わせた全ての材積のこと。
(本研究は、2022年12月に日本森林学会誌において公表されました。)
写真:120年生のカラマツ人工林
図:総材積の経年変化
下層間伐は大小様々な木がある中で、小さい木を中心に伐採する間伐方法、強度間伐は材積にして40%以上伐採する間伐方法、上層間伐は大きい木から伐採する間伐方法.下層間伐は2か所に設けられた。矢印は主な間伐時期を示す。
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