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樹木園などで白い十字形のどこでもよく見かける花が咲いています(左写真)。独特の臭みもあります。都会の路地裏のやや暗いところでも、土があればたくましく生育しているのが見られます。ドクダミ科ドクダミ属のドクダミです。
せっかく高尾までやって来て、都会で見かけるドクダミを見なくてもと思われるかもしれませんが、国内では本州、四国、九州、沖縄に分布する在来種で、生薬や食用などで人々の生活にも何かと役に立っている植物です。花びらのように見えるものは4枚の総苞片で(花びらも萼も無く)、中央の穂に小さな多数の花がついて、個々の花には雌しべと3本の雄しべがあります(右写真)。
分子系統学に基づくAPG分類体系では、ドクダミ科は、園内で見られるフタリシズカ(センリョウ科)やホオノキ(モクレン科)と同様に、単子葉植物よりも起源が古い基部被子植物群の中に位置づけられています。(よ)
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