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ミズキの周りを白い蝶(?)がたくさん飛んでいます(写真左,○内)。モンシロチョウのように見えますが,飛び方は弱々しく,かといって花や木に止まるわけではなく,いつまでもひらひら飛び続けるので,写真撮影には苦労します。実は,これは蝶ではなくキアシドクガという蛾です。もっとも,蝶も蛾も同じチョウ目(もく)というグループに属する昆虫で,色々区別点は言われていますが,例外がたくさんあり明確に区別することは出来ないのです。
さて,キアシドクガは,昼間飛ぶので昼行性ですが,これだけでも一般的な蝶の特徴です。一方,触角は櫛状で(写真右,矢印),蛾の特徴を持っています。櫛状の触角は,匂いをキャッチするのに優れており,交信に嗅覚を使うことを示しています。つまり雌雄の出会いは,視覚よりも嗅覚(フェロモン)に頼っていると考えられます。昼行性なのになぜ視覚でなく嗅覚を使うのか不思議ですが,それなりの理由があるのでしょう。
キアシドクガは,分類上は名の通りドクガ科に属しています。でも毒はありませんのでご心配なく。(し)
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