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ノアザミの花(5月)

ノアザミサクラ保存林の彼岸通りなどの明るい草原に、キク科アザミ属のノアザミが咲いています(左写真)。夏から秋にかけて咲くという印象のあるアザミ属の中で、ノアザミだけは早くも5月頃から咲き始めます。

キク科では、多くの「小花」が集まって「頭花」を形成しています。この時期に黄色い花を咲かせるキク科のニガナの小花は「舌状花」でしたが、アザミの小花は「筒状花」で、それらが多数集まってまるで針山のような1つの頭花を作っています(右写真)。

針の先端のピンク色は伸びつつある花柱(雌しべ)です。それを包む濃い紫色は雄しべの葯が合着した葯筒で、昆虫などの刺激によってこの葯筒が下方に下がり、中から白い花粉が出てきているのが見られます。刺激に応じて花粉を出す仕組みは、花粉を無駄にせず効率的です。このような雄しべの活動が終わった頃に、雌しべが成熟してきます。(よ)

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