研究紹介 > トピックス > ニュース > ニュース 2017年 > 林地残材が環境に優しい木製トレイに変身
更新日:2017年3月7日
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かつては
そこで、カーボンニュートラル(注)な木材でかつ未利用の林地残材等を用いて木製の単層トレイを製造する技術を開発しました。これまでも木材の薄い板を3枚積層した木製トレイは製造されてきましたが、接着剤が必要です。そこで木材単板(薄い板)を熱と水分により柔らかくし、これを金型に挟んで熱圧成型して単層の木製トレイ(木皿)を製造する技術を開発しました(写真1)。
濡れている木材単板をそのまま加圧成型すると水蒸気によりトレイは破裂してしまいますが、水蒸気を抜きながらこれを回避する技術を開発したことで1日5000枚程度のトレイを製造できるようになりました。また、1枚の単板から深さ30mm、曲げ角度60度という世界に類を見ない深型の木製トレイ(写真2)の製造が可能になりました。
現在、この製造技術は企業に技術移転し、マルゲン株式会社(外部サイトへリンク)で製造および販売を、NPO法人の游風(外部サイトへリンク)でも販売されています。様々な場面でご利用下さい。
また、この木製トレイの製造あるいは販売にご興味がある方は、森林総合研究所までご連絡下さい。
(注)植物は光合成により大気中の二酸化炭素を吸収して固定するため、これが焼却や腐朽しても固定していた二酸化炭素を放出するだけなので、大気中の二酸化炭素濃度の増加に影響しないこと。
詳細は下記をご覧下さい。
特許公報(B2)、特許第5935032号、日本国特許庁、2016年6月15日(登録日2016年5月20日)
特許情報プラットフォーム:https://www7.j-platpat.inpit.go.jp/tkk/tokujitsu/tkkt/TKKT_GM301_Detailed.action(外部サイトへリンク)
特許名:木製単板容器の製造方法とこれにより製造した木製単板容器ならびに木製単板容器製造ホットプレス装置
発明者:秦野 恭典(広報普及科)、木口 実(研究ディレクター)、高野 勉(研究情報科)、故庄内 豊(庄内鉄工株式会社)、大越 誠(京都府立大学)、古田 裕三(京都府立大学)。
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写真2:深型木製単層トレイ(深さ30mm、曲げ角度60度) |
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