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1. 受賞名 | 第50回 日本木材学会賞 (受賞日:2010年1月16日) |
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2. 受賞者の氏名、所属 | 森林総合研究所 複合材料研究領域 チーム長 塔村真一郎 |
3. 受賞理由 | 木材用接着剤の硬化反応機構と木質材料からのホルムアルデヒド等VOC放散特性の解明 |
4. 受賞理由の簡単な紹介 | 木材用接着剤は安全・安心な木質材料を使う上で重要な役割を担っている。高耐久性であるフェノール樹脂接着剤は、硬化が遅いことが普及を妨げていたが、本研究ではゲル化速度を指標とした反応速度論的解析手法により、フェノール樹脂接着剤の硬化反応機構の体系化および硬化促進剤の触媒作用機構の解明を行い、速硬化型樹脂の開発に貢献した。 一方、いわゆるシックハウス問題で、木質材料から放散するホルムアルデヒドについて、本研究では、アミノ系樹脂接着剤の硬化樹脂の化学構造と放散メカニズムの関係を固体13C-NMRスペクトル等を用いて解明するなど、接着剤からのホルムアルデヒド放散対策に技術的指針を与えた。また、各種木質材料からのホルムアルデヒドおよび揮発性有機化合物(VOC)の放散特性について小形チャンバー法を用いて明らかにした。アセトアルデヒドについても発生要因の究明が求められていたが、エタノールを原因とする木材との相互作用によるアセトアルデヒドの生成メカニズムを解明した。 これらホルムアルデヒド系接着剤に関する一連の研究成果が学術的に高く評価された。 |
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