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更新日:2012年11月1日

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平成24年度理事長賞

森林総合研究所では、平成24年11月1日の創立107周年式典において、以下のとおり理事長表彰を行いました。

業績名

放射性物質の森林内における分布状況の把握と科学的知見の普及活動による社会的貢献

受賞者

金子 真司(立地環境研究領域長)

外崎 真理雄(四国支所長)

受賞要旨

東京電力福島第一原子力発電所から流出拡散した放射性物質による森林の汚染という未曾有の事故に対し、いち早く福島県における森林の現地調査を実施し、森林内の放射性物質の蓄積実態や木材の汚染状況を明らかにした。

また、国内外の情報の収集や研究者との交流を進めるとともに、講演会等を通じて放射性物質の科学的な知見や最新情報の普及活動に尽力した。

業績名

森林の放射性物質除染技術の開発と渓流水による流出状況の広報による社会的貢献

受賞者

坪山 良夫(水土保全研究領域長)

受賞要旨

放射性物質に汚染された森林からの被ばくや森林からの放射性物質の流出が懸念される中、生活圏周辺の森林における除染効果の評価方法を考案し、その評価結果をすみやかに示すことにより、政府の除染指針の策定に貢献した。

また、福島県内6箇所で渓流水の連続観測を行い、放射性物質の流出が微量であることを公表して国民の不安の解消に努めた。

業績名

放射性物質のきのこ等への影響評価並びにスギ花粉による放射性物質拡散予測による社会的貢献

受賞者

馬場崎 勝彦(きのこ・微生物研究領域長)

赤間 亮夫(企画部 放射性物質影響評価監)

受賞要旨

東京電力福島第一原子力発電所事故後の放射性物質の広域汚染の影響に対処するため、栽培きのこ類の移行係数の決定と、きのこ原木汚染状況の緊急調査、スギ花粉による放射性物質拡散状況の把握を迅速に進め、きのこ類の生産基準の策定による食品汚染の防止、またスギ花粉による放射性物質の拡散に対する国民の懸念の払拭に繋がる社会的貢献を果たした。

業績名

ヤナギ超短伐期栽培による新たな木質バイオマス資源の作出

受賞者

宇都木 玄(植物生態研究領域 チーム長)

上村 章(北海道支所 主任研究員)

受賞要旨

木質資源としての早生樹利用のため、ヤナギに着目し、優良クローンの選抜、短伐期栽培システムの開発を行うとともに、栽培と収穫・運搬に要するコストを明らかにした。また、産学官連携シンポジムを開催するなど、技術の普及広報にも大きく貢献した。

この成果は、試験地である北海道下川町のバイオマス利用施策への活用にとどまらず、政府の国家戦略プロジェクトに基づく、環境未来都市としての認定にも大きく寄与することとなった。

業績名

「奇跡の一本松」の後継樹育成の成功とその波及効果

受賞者

林木育種センター東北育種場

受賞要旨

東日本大震災による巨大津波被害から1本だけ生き残った岩手県高田松原のマツは「奇跡の一本松」として、地域復興のシンボルとなっていたが、枯死する恐れがあった。

東北育種場では、地域の復興に寄与するため「林木遺伝子銀行110番」の取り組みとして一本松の後継樹育成に成功したこと等が報道され、震災復興に向けた被災者の精神的な支えとして広く社会に受け入れられるとともに、森林総合研究所が果たしている役割に対する国民の理解に貢献した。

業績名

水源林造成事業による地域に根ざした地域貢献の取組み
〜岩手県三陸地方(大船渡湾・広田湾)におけるカキ養殖イカダ用スギ丸太の供給と東日本大震災からの養殖漁業の復興支援〜

受賞者

森林農地整備センター盛岡水源林整備事務所

受賞要旨

盛岡水源林整備事務所は、岩手県三陸地方において、地域の漁業関係者からの要望に応え、特殊な規格であるカキ養殖イカダ用スギ丸太の供給の取組を行っており、地域に根ざした水源林造成事業の展開は、関係者から高く評価されている。

今般の東日本大震災発生後にあっては、これらの取組によって培った技術と経験を活かし、他の林業関係機関と相互に連携・協力する中で、先導的役割を担い養殖漁業の早期復興を支援した。

盛岡水源林整備事務所における地域に根ざした地域貢献の取組は他の模範となるものである。

平成24年度(2012年) 理事長表彰 受賞者 写真
平成24年度(2012年) 理事長表彰 受賞者

 

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