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1.受賞名 | 第18回森林立地学会誌論文賞(受賞日:2016年3月30日) |
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2.受賞者の氏名、所属 |
小野 賢二・中村 克典(東北支所) 平井 敬三(立地環境研究領域) |
3.受賞理由 |
東北地方太平洋沖地震に伴う大津波が沿岸の海岸林土壌にもたらした影響評価に関する研究成果が、森林立地研究の進歩発展に貢献するものとして、その学術的価値が高く評価された。 |
4.受賞の簡単な紹介 |
津波を受けた海岸防災林では海水浸水により大量の塩類が土壌に付加され集積したため、津波による物理的破壊被害以外にも樹木の針葉変色・萎凋、衰退・枯死など塩害症状が東北太平洋沿岸で発生した。これまでの研究により、土壌への海水浸水や地表面への海砂の堆積は樹木の過剰な塩分吸収や集積、海水由来の塩分の拮抗作用による養分の吸収阻害、根の細胞内外の浸透圧差の減少に起因した樹木の吸水能力の低下を起こすことが明らかにされてきた。効率的に海岸林の再生・復興を進めるには、津波被災後の土壌環境を把握して、津波浸漬土壌は除塩する必要があるが、森林を対象とした除塩の実施はその立地条件等から困難であり、梅雨や台風など自然の降雨に期待せざるを得ない。本研究では、海岸平坦面にある海岸防災林の砂質未熟土でも、時間の経過とともに津波浸漬に由来する土壌中の残留塩類は降雨に伴う自然排水によって移動、流去し土壌における津波影響の痕跡は低減されたことを明らかにした。 森林立地56(1):37-41(http://shinrin-ritchi.jp/PDFvol56no1/56%281%29_2014_21-26.pdf) |
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