研究紹介 > トピックス > 職員の受賞・表彰 > 3rd Symposium on Biotechnology Applied to Lignocelluloses First Prize in Poster Competition及び テクノロジー・ショーケース2019 ベスト異分野交流賞(大塚 祐一郎)
更新日:2019年3月5日
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1.受賞名 | 3rd Symposium on Biotechnology Applied to Lignocelluloses First Prize in Poster Competition (受賞日:2014年10月29日)及び テクノロジー・ショーケース2019 ベスト異分野交流賞(受賞日:2019年1月29日) |
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2.受賞者の氏名、所属 |
大塚 祐一郎(森林資源化学研究領域) |
3.受賞理由 |
木材の主要成分の一つであるリグニンから工業原料を製造する技術開発において製造した物質が強力なセシウム捕捉能を有することを発見した。リグニンの新たな利用技術を開発したことと予想外の分野への応用の提案が高く評価された。 |
4.受賞対象研究の紹介 |
木材の主要成分であり、地球上で最大の芳香族バイオマスであるリグニンの新たな利用方法として、化学的分解と組換え微生物による発酵を組み合わせて単一の2-ピロン-4,6-ジカルボン酸(PDC)という物質の製造方法を確立しました。さらにこのPDCがプラスチックなどの工業製品の原料になることも明らかにしてきました。このPDCの高効率な製造法を開発する過程においてPDCがI族のアルカリ金属と結合して沈殿する性質を発見しました。さらにI族のアルカリ金属の中でも特にセシウム(Cs)との反応性が高く低濃度でもPDCがCsを捕捉して沈殿することを見出しました。このことはすなわち、木材の主要成分から製造されるPDCが福島第一原子力発電所で日々発生する放射性セシウムに汚染された水の浄化に貢献できる可能性を示しています。
関連論文:Preferential cesium ion trapping by 2-pyrone-4,6-dicarboxylic acid (PDC) obtained from a metabolic intermediate of lignin, a woody biomass resource, Journal of Nuclear Science and Technology |
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