第30回日本木材学会奨励賞（三好 由華）

三好 由華（木材加工・特性研究領域）

「木材の横引張変形および破壊特性へ及ぼす熱軟化と組織構造の影響」に関する一連の研究が、木材物理学の研究の進展に貢献するものとして高く評価された。

木材の力学的性質へ組織構造が及ぼす影響を際立たせる実験手法を確立し、横（繊維直交）方向の変形や破壊現象へ組織構造が及ぼす影響を定量的に評価することを可能にした。また、熱軟化の程度を表す物理量を定義することで、これまでに未検討であった木材の破壊現象とレオロジーの関係について言及した。

【関連論文】

1) 三好由華、神代圭輔、古田裕三、木材の横引張変形特性 ―ヒノキの横引張変形へ及ぼす年輪傾角、水分および温度の影響―、木材学会誌、60巻、5号、241-248 (2014).

DOI : 10.2488/jwrs.60.241（外部サイトへリンク）

2) 三好由華、神代圭輔、古田裕三、樹種による組織構造及び熱軟化特性の違いが木材の横引張変形特性へ及ぼす影響、材料、64巻、5号、356-361 (2015)

DOI : 10.2472/jsms.64.356（外部サイトへリンク）

3) Miyoshi Y., Kiryu T., Kojiro K., Furuta Y., Effects of drying and/or quenching histories on lateral tensile deformation properties of water-swollen wood, Journal of Wood Science, 61, 525-528 (2015)

DOI : 10.1007/s10086-015-1496-5（外部サイトへリンク）

4) Miyoshi Y., Furuta Y., Rheological consideration in fracture of wood in lateral tension, Journal of Wood Science, 62, 138-145 (2016)

DOI : 10.1007/s10086-016-1538-7（外部サイトへリンク）

5) Miyoshi Y., Kojiro K., Furuta Y., Effects of density and anatomical feature on mechanical properties of various wood species in lateral tension, Journal of Wood Science, 64, 509–514 (2018)

DOI : 10.1007/s10086-018-1730-z（外部サイトへリンク）