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1.受賞名 | 令和3年日本森林学会学生奨励賞(受賞日:2021年3月21日) |
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2.受賞者の氏名、所属 |
執行 宣彦(立地環境研究領域) |
3.受賞理由 |
森林の土壌細菌の空間分布が、気候・植物形質・土壌特性のバランスで決まることを示した下記の学術論文が、森林科学において発展性が高く、今後の研究の展開が期待されるとして、評価された。 |
4.受賞対象研究の紹介 |
土壌細菌は物質循環など、森林の様々な生態系機能に大きく貢献していると考えられます。しかし、森林の土壌細菌の空間分布やその制限要因は十分に明らかにされていません。下記論文では、奥秩父山地の老齢天然林において、標高傾度に沿った調査区で深度ごとに土壌を採取し、細菌群集を分析しました。また、標高とともに変化する気温などの気候要因やpHなどの土壌特性、葉のC/N比といった植物形質も同時に調査し、これらの環境要因が土壌細菌の多様性に及ぼす直接的な効果と間接的な効果を解析しました。その結果、土壌細菌の多様性の標高勾配が、気候・土壌特性・植物形質のバランスで説明されることが明らかになり、特に植物形質の多様性が重要な制限要因として存在することを発見しました。 【関連論文】 Shigyo, N., Umeki, K. & Hirao, T. (2019) Plant functional diversity and soil properties control elevational diversity gradients of soil bacteria. FEMS Microbiology Ecology 95: fiz025. |
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