第15回日本木材学会論文賞（宇京 斉一郎・宮武 敦・新藤 健太・平松 靖）

宇京 斉一郎（構造利用研究領域)

宮武 敦（複合材料研究領域）

新藤 健太（複合材料研究領域）

平松 靖（複合材料研究領域）

CLT（直交集成板）に面外からせん断力が加わった際に生じるローリングシアと呼ばれる挙動に着目し、実験と数値計算の両面から強度性能を明らかにした研究論文が、木材科学分野の発展に貢献するものとして高く評価された。

丸太から製材される挽き板（ラミナ）を、その繊維方向が交互となるように積層接着した材料であるCLTでは、板面の外から互い違いの方向に力（せん断力）が加わると、直交層のラミナにおいて木材の繊維を回転させるような力が働きます。この挙動は、ローリングシアと呼ばれ、CLTの強度評価・予測を行う際にはこれを考慮することが重要となります。本研究では層構成の異なる4種類のCLTを用いた強度試験およびローリングシアを考慮した数値計算から、直交層に用いたスギラミナのローリングシアの特性を推定し、CLTのせん断強度との関係を明らかにしました。

Ukyo S, Miyatake A, Shindo K, Hiramatsu Y (2021)

Shear strength properties of hybrid (hinoki cypress and Japanese cedar) cross-laminated timber.
Journal of Wood Science, 67, 23

DOI:10.1186/s10086-021-01954-y（外部サイトへリンク）