ホーム > 環境報告書2021目次 > 環境報告書2021-8-2 社会貢献活動への取組
更新日:2022年2月15日
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環境に関連する多様な業務の成果をできるだけ多くの方々に知っていただくため、広報活動に力を入れています。また、いただいたご意見等は、研究業務等に反映させるよう双方向のコミュニケーションにも努めています。さらに、社会人や次世代を担う子どもたちへの環境教育にも力を入れています。
以下、これらの環境コミュニケーションについて紹介します。
当機構では、一年を通してさまざまな行事・イベントを企画し、地域内外の皆様とコミュニケーョンを深めています。また、地域や団体からの要請に応じて各種の展示協力を行っています。
2020(令和2)年度は、新型コロナウイルスの感染拡大を防止する観点から開催を中止した行事・イベントがありましたが、インターネットを利用した講演会、シンポジウム等のライブ配信、新たに開設したYouTube「森林総研チャンネル」を通じた講演動画の配信など、新しい開催方法によって実施できたものもありました。今後も新型コロナウイルス感染症の状況をみながら、適切な方法で開催しています。
例年、会場借り上げ等で実施していた公開講演会、シンポジウム等が新型コロナウイルス感染症対応のため開催出来なくなりました。
そこで新たな公開講演会等の開催方法として、YouTube「森林総研チャンネル」を開設し、講演会及びシンポジウム、研究成果の一般向けの解説等60本を超える動画を配信しております。
その他、YouTubeを利用した講演会等のライブ配信を実施いたしました。
https://www.ffpri.affrc.go.jp/hkd/ivent-hkd/20201020regionalregeneration.html
今後も講演会及びシンポジウム等の映像のほか、研究成果をわかりやすく解説した映像等を配信いたします。
当機構が例年開催している一般公開は研究所(つくば)だけでなく、支所、林木育種センター、育種場、森林整備センター、整備局でも実施しています。地域によっては支所、育種場、整備局が合同で開催することもあり、多くの見学者を受け入れております。しかし、2020(令和2)年度は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、特定の日に見学者を募る形式での一般公開は全て中止としました。一般公開としての受け入れは、屋外の見学が主である多摩森林科学園のみとなりました(来場者2,781名)。
森林総合研究所(つくば市)の一般公開は、毎年、春夏2回開催していますが、新型コロナウイルスの感染拡大を防止する観点から中止しました。各支所の一般公開、林木育種センターの親林の集いも同様に中止しました。
また、毎年夏休み期間中、「つくばちびっ子博士」の指定見学施設(毎日開催)となっている「もりの展示ルーム」は、つくば市が事業を中止したため「つくばちびっ子博士」と連携した公開ではなく、「もりの展示ルーム 夏休み公開(平日限定、事前予約制)」としました。生きたカブトムシやクワガタムシに触れるコーナー、重い木軽い木を自分で測るコーナーのほか、企画展示「蘚・苔・地衣類の世界」、「日本産クワガタムシ標本」及び「2019年度の研究成果紹介」の展示を行い、ご家族での来場がありました。(来場者計14組)
森林総合研究所では、例年10月に公開講演会を開催してきましたが、今年は新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、会場での開催は中止といたしました。
その代わりに、YouTube「森林総研チャンネル」を利用し、11月2日から講演の動画を配信しています。
「きのこを知る―微生物研究の最前線」
きのこは、微生物の一つであり、分解者や樹木の共生者として、森の生態系に欠かせない存在です。一方、古くより「森の恵み」、「秋の味覚」としても親しまれていましたが、今では栽培技術の進展・普及にともない、食材として何時でも手に入れることができるようになりました。また、きのこには、様々な機能性を有することが知られており、健康食品としても脚光を浴びてきています。さらに、マツタケやトリュフなど経済性の高いきのこの栽培技術開発への期待も高まっています。
今回は、これら様々な形で、我々の生活に関わってきている「きのこ」の姿について、最新の研究成果を中心に紹介します。
本講演会では、招待講演「きのこの機能性と食品としての価値」として江口 文陽氏(東京農業大学地域環境科学部森林総合科学科長 教授)に講演いただきました。
一般講演として、以下の講演がありました。
・きのこそして微生物―その生き様と人との関わり(きのこ・森林微生物研究領域 領域長 服部 力)
・しいたけ害虫の総合防除(森林昆虫研究領域 昆虫生態研究室 室長 北島 博)
・国産トリュフ―栽培に向けた試み(きのこ・森林微生物研究領域 微生物生態研究室 主任研究員 小長谷 啓介)
・微生物を使って木から造る―ガス燃料からプラスチック、お酒まで―(森林資源化学研究領域 微生物工学研究室 主任研究員 大塚 祐一郎)
また、ポスター発表を以下のとおり行いました。
・マツタケの放射線育種(きのこ・森林微生物研究領域 きのこ研究室 室長 村田 仁)
・生シイタケに含まれるビタミンD量の調整(きのこ・森林微生物研究領域 チーム長 平出 政和)
・野生きのこの放射性セシウム濃度は種によって異なる(きのこ・森林微生物研究領域 きのこ研究室 主任研究員 小松 雅史)
・害虫の天敵寄生蜂によりシイタケを守る(森林昆虫研究領域 昆虫生態研究室 主任研究員 向井 裕美)
・菌類を活用したスギ花粉飛散抑制技術―スギ花粉飛散防止剤―(きのこ・森林微生物研究領域 森林病理研究室 主任研究員 高橋 由紀子)
・林⽊育種センター及び森林バイオ研究センターにおける林⽊育種の取組(林木育種センター、森林バイオ研究センター)
・私たちのくらしと⽔源の森林(もり)づくり(森林整備センター)
・これからの作業道づくり−丈夫で簡易な作業道づくりの実践−(森林整備センター)
・森林にも保険があります。−災害リスクに備えよう−(森林保険センター)
・森林保険の災害別お⽀払い事例−備えておいてよかった!−(森林保険センター)
詳しくは「公開講演会特設サイト」をご覧下さい。
招待講演 きのこの機能性と食品としての価値
東京農業大学地域環境科学部森林総合科学科長 江口 文陽 教授
COVID-19は人獣共通感染症の一つであり、人獣共通感染症のリスクのグローバル化は森林の減少や分断化が大きな要因と考えられます。そこで2020(令和2)年11月27日に「ポストコロナの社会と森林」と題したウェブセミナーを開催しました(聴講登録者数197名)。
本セミナーでは、蟹江 憲史氏(慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 教授)、広井 良典氏(京都大学 こころの未来研究センター 教授)、土屋 俊幸氏(東京農工大学 名誉教授、林業経済研究所フェロー研究員)、岡部 貴美子研究拠点長(森林総合研究所 生物多様性・気候変動研究拠点)、森田 香菜子主任研究員(森林総合研究所 生物多様性・気候変動研究拠点気候変動研究室)の5名から話題提供をいただき、討論をおこないました。
その中で、今回のコロナ禍はSDGsが達成されていない世界だった故に起きたと考えられ、SDGsや生物多様性保全の重要性を示した出来事と言えること、コロナ禍の中で都市集中型社会の脆弱性が顕在化し分散型社会への移行が自然に進んでいくと予想されることなどが指摘され、今後の森林のあり方についてもこういった視点から議論していく必要性があることが示されました。
一方で、人獣共通感染症は単に森林面積を拡大させれば予防できるものではなく、生物多様性や気候変動も含めた総合的・包括的な対応、ワンヘルスとSDGsや国際関連条約の議論との間のさらなる連携が必要である、という点も強調されました。
本セミナーの録画は森林総研YouTube「森林総研チャンネル」で配信中です。
1.開会、理事長挨拶
開会挨拶 森林総合研究所 研究ディレクター 正木 隆
理事長挨拶 森林研究・整備機構 理事長 浅野 透
2.SDGsとポストコロナの社会
慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 蟹江 憲史 教授
3.総合討論 Part 1
上段左から
蟹江 憲史氏(慶應義塾大学教授)、岡部 貴美子研究拠点長(森林総合研究所)、森田 香菜子主任研究員(森林総合研究所)
下段左から
広井 良典氏(京都大学教授)、土屋 俊幸氏(東京農工大学 名誉教授、林業経済研究所フェロー研究員)
右
正木 隆研究ディレクター(森林総合研究所)
4.社会の変化と森林とのかかわり
京都大学 こころの未来研究センター 広井 良典 教授
5.森林・林業への影響とこれからの課題
東京農工大学 土屋 俊幸 名誉教授、林業経済研究所フェロー研究員
6.森林減少、劣化と新興人獣共通感染症
森林総合研究所 生物多様性・気候変動研究拠点長 岡部 貴美子
7.新興・再興人獣共通感染症と関連する国際的なフレームワーク、森林とのかかわり
森林総合研究所 生物多様性・気候変動研究拠点 気候変動研究室主任研究員 森田 香菜子
8.総合討論 Part 2
閉会挨拶 森林総合研究所 研究ディレクター 正木 隆
森林総合研究所の各支所では、各地域の一般の方々に広く支所の研究成果を知っていただくために、毎年公開講演会を開催しています。2020(令和2)年度は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、例年行っていた参集開催の代わりに初めてYouTube「森林総研チャンネル」を利用した動画配信を九州支所と四国支所の共同開催という形で行いました。テーマは「植えた樹を鹿から守る」とし、2018(平成30)~2020(令和2)年度の3年間実施された交付金プロジェクトの成果について、九州・四国の両支所及び野生動物研究領域長を加えた5名の研究者が発表しました。
公開講演会の動画は2021(令和3)年11月末までの期間限定での公開を予定していますが、これまでに述べ視聴回数が1,000回を超える講演もあるなどオンラインならではの反響の大きさを感じていているところです。
さらに、この研究成果を2020(令和2)年3月に「西日本の若齢造林地におけるシカ被害対策選択のポイント~防鹿柵・単木保護・大苗植栽~」というパンフレットにまとめ、HPにて公表しています。
YouTube動画配信:九州・四国地域公開講演会「植えた樹を鹿から守る」(2021(令和3)年11月30日を持ちまして、動画配信は終了いたしました。)
【九州・四国地域公開講演会】演目
講演1 植えた樹をシカから守るために
演題2 単木保護資材を利用したスギ苗の保護
演題3 皆伐地の食痕でシカの多少を推定する
演題4 多点調査でみる防鹿柵の破損とシカ被害
演題5 シカ被害対策グレードアップ術
森林総合研究所東北支所、林木育種センター東北育種場、森林整備センター東北北海道整備局盛岡水源林整備事務所では、例年10月に東北支所で一般公開・公開講演会を実施していましたが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、2020(令和2)年度は一般公開・公開講演会を中止し、代替として地元のFMラジオ放送(FM岩手「夕刊ラジオ」毎月第2火曜日16時30分~『東北のもり』ー提供:森林研究・整備機構ー)による研究・業務紹介を、半年間6回にわたり実施しました。
各月の放送内容・担当は以下の通りです。
2020(令和2)年
10月13日「天然秋田スギ林の昔と今」東北支所 森林生態研究グループ グループ長 太田 敬之
11月10日「増える広がるニホンジカ」東北支所 生物多様性研究グループ グループ長 高橋 裕史
12月8日「森の樹木の世代交代のしくみ」東北支所 育林技術研究グループ 主任研究員 野口 麻穂子
2021(令和3)年
1月12日「マツ枯れに強いマツをつくる」東北育種場 育種研究室 室長 井城 泰一
2月9日「震災から10年:海岸林復興の道のり」東北支所 森林環境研究グループ 主任研究員 小野 賢二
3月9日「岩手の水源林を育むー水源林造成事業の取組や効果ー」盛岡水源林整備事務所 所長 石垣 浩司
研究・業務内容を一般のリスナーにできるだけわかりやすく伝えるため、入念なリハーサルを行って放送に臨みました。放送はパーソナリティとの対話形式で進められ、生放送で撮り直しのきかない一発勝負の緊張感はありましたが、一般の方に言葉だけで研究や業務の内容が伝わるやりとりになるよう努めました。各放送終了後には、リスナーから「興味を持った。」、「毎回勉強になる。」などの好意的な感想が寄せられ、マスコミによる取材も受けました。
2021(令和3)年1月12日『マツ枯れに強いマツをつくる』担当:東北育種場
2021(令和3)年2月9日『震災から10年:海岸林復興の道のり』担当:東北支所 森林環境研究グループ
森林総合研究所林木育種センターでは、林木育種に関する最新の研究成果や品種開発の状況について、林業関係者や一般の方々に発表する林木育種成果発表会を毎年開催しており、2020(令和2)年度は2021(令和3)年2月24日に開催しました。
新型コロナウィルス感染症拡大防止の観点から、オンライン開催としたところ、国、都道府県、民間企業・研究所等から多くの参加があり、例年の2倍以上の約260名の方から申し込みがありました。
当日は、伊藤哲教授(宮崎大学農学部)から「低コスト再造林の現状的課題と林木育種への期待」と題して特別講演を、涌島智次長(広島県立総合技術研究所林業技術センター)から「コウヨウザン材の利用」と題して特別報告が行われました。
伊藤教授からは、育種と施業のコミュニケーションの重要性(各品種の長所・短所を踏まえた施業やそのための品種の特性情報の発信など)、低コスト造林のポイントとして何を植えるか(品種)の重要性などについて、分かりやすく説明していただきました。また、涌嶋智次長からは、コウヨウザン製材品の性能、スギやヒノキと異なる特徴などについてデータを交えながら早生樹の可能性について説明していただきました。
さらに、林木育種センター職員から、2020(令和2)年度の品種開発の状況やスギにおける気候変動適応に向けた育種技術の開発、花粉症対策のための技術開発研究と品種開発、コウヨウザン研究の今後の方向性、国産薬用樹木カギカズラの生産技術の開発など、7課題について発表がなされました。
今日、地球温暖化対策、林業の成長産業化、花粉発生源対策など林木育種に対する社会的ニーズが益々高まっております。皆様からいただいたご意見等も踏まえて、引き続き林木育種の研究開発を推進していく考えです。
(オンラインで発表中の伊藤哲教授)
森林整備センターは、2021(令和3)年1月18日(月曜日)に京都府立林業大学校(京都府船井郡京丹波町)において、「水源林出張教室」を開催しました。出張教室は、森林整備の重要性や水源林造成事業への理解を深める機会を提供するために実施するもので、同大学校の森林・林業経営の講義の一環として、16名の学生を対象に行いました。
冒頭、京都府立林業大学校の衣川助教授から講義の趣旨及び日本の森林・林業経営などについて講義があり、引き続き、当センター職員から、森林整備センターの組織・水源林造成事業の概要、業務内容等について説明しました。
学生からは「水源林造成事業は分収造林契約方式により地域の方々の理解・協力のもと実施されていることや、全国でセンター職員が研究部門等と連携し、研究成果の橋渡しや指導等、日々現場で汗を流していることに理解を深めることができた。」などの感想がありました。
このほか、「針広混交林」や「育成複層林」など公益的機能を持続的に発揮させるための多様な森林づくりや収穫に向けた取組などについて関心が寄せられました。
森林整備センターは、今後も出張教室の取組を通じて、学生や都市住民の皆様に、森林整備の重要性や水源林造成事業の意義について、理解を深めて頂けるように努めてまいります。
水源林出張教室の様子【京都府立林業大学校】
イベントや見学などに参加いただいた方々から、たくさんのご意見、ご感想をいただきました。この中からいくつかをご紹介いたします。(感想は原文を掲載しております。)
森林総合研究所見学
理数科生徒研修(兵庫県立加古川東高校)
・身近に使われている木材の中にはたくさんの人の苦労またはアイデアが詰まっていると思うと、とても魅力を感じました。
・木材の性質についてまだまだ知らない部分が沢山あってまだまだ研究しがいのある素材なんだと思いました。
・農学部はこのような分野も研究するのだとわかりました。特に、どのように森林の木を伐採すれば生態系に影響を及ぼさないかという研究が面白いと思います。自然に対する森林の役割など一般的に言われていることだけでなく、森林の大切さなど知らなかったこともたくさん教わりました。
・普段何気なくあるので深く考えることのない木について、盛んに研究されていることを知れて、考え直すきっかけになった。
森林総合研究所オンライン見学
森林・木材に関する研究・技術開発に関する見学(東京大学農学部生物素材化学専修・木質構造科学専修)オンライン見学
・リグニンは個人的に非常に興味があり、生成機構や構造などを知りたいと思ってきました。今回の講義ではリグニンを抽出し、素材として扱える形にするということを初めて知ることができました。PEGリグニンは初めて聞く用語であり、リグニンを分解して単離するのではなく、ポリエチレングリコールを溶剤として常圧下の穏やかな条件のもとでリグニンを抽出することを学びました。リグニンが素材に強度や耐久性を与えることで素材としての利用価値が高められることが見られました。具体的な改質リグニンの使用方法や既存の素材との比較について知りたいと思いました。
・リグニンは利用するのが難しいと聞いていたので、リグニンを改質して取り出すことで加工性の良いプラスチックのような原料が作れるということに驚きました。PEGの量で物性を変えることができることや、優れた耐熱性などから様々な用途に使えるということを聞き、改質リグニンに興味を持ちました。改質リグニンの工業的な利用の現状や今後の見通しについても機会があれば伺いたいと思いました。
木質材料のお話では、様々な木質材料の特徴や性質を学ぶことができました。実際にどういった場面で使用されているのかの説明もあり、木質材料の理解が深まりました。
・説明会などで企業のお話を聞く機会はありますが、国の研究機関のお話をお聞きする機会は少なく大変貴重な経験となりました。お話の中でリグニンを様々な材料に加工する技術のお話が特に興味深かったです。私たちはこれまで石油資源に頼ってきましたが、今後地球環境への影響や石油資源の枯渇を迎え必ず別の資源に切り替える必要があります。そんな中で経済性のみを考え石油資源を使い続けるのではなく、継続利用可能な木資源からプラスチックなどが開発研究されていることが国の研究機関ならではであり、重要なことと感じました。また、今後森林資源をどう活用してゆくか考える中で一つの指標となり、材料業界について考える貴重な機会となりました。
2020(令和2)年度の視察・見学者の受け入れに際しては、新型コロナウィルス感染症対応として手指の消毒、マスク着用及び他のお客様との間隔を出来るだけ2m以上あけるソーシャルディスタンスの確保等の対策を講じました。当年度の視察および見学者は、研究開発部門で5,318名でした。
森林総合研究所(つくば)、各支所、林木育種センター、各育種場においては、事前予約制の導入や視察・見学者数に制限を設けるなどして、実施しました。多摩森林科学園では7月3日から12月25日まで部分的に開園し(第1樹木園及び第2樹木園見学)、10月28日から12月25日の期間には森の科学館を再開したことから、例年に比べると少ないながらも多くの方が見学に訪れました。
なお、2021(令和3)年1月7日の政府による東京都の緊急事態宣言再発令を受け、1月8日から第1樹木園及び第2樹木園見学並びに森の科学館を閉館しております。
森林研究・整備機構は、NPO法人との連携を積極的に進めています。
森林総合研究所が2020(令和2)年度にNPO法人から依頼された調査、講師派遣等は、21団体、33件でした。依頼は全国から寄せられており、内容は自然保護や環境保全に関するものが中心であり、この分野への関心の高さが伺えます。
当機構の活動を広く知っていただくため、刊行物の発行に力を入れています。
研究開発部門からの定期刊行物は、広報誌「季刊森林総研」(年4回、各10,000部)、研究成果を掲載した「森林総合研究所研究報告」(年4回、各1,250部)、「林木育種情報」(年3回、各3,700部)など23誌で、延べ97,577部を発行しました。
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季刊森林総研 | 森林総合研究所研究報告 | 林木育種情報 |
森林保険部門では「森林保険だより」(年4回、24,400部)の発行数を増加し、「森林保険通信」の配信回数も増加しました。
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森林保険だより | 森林保険通信 |
その他、「多摩森林科学園 百年のあゆみ」など11点の非定期刊行物、各種パンフレットなども刊行しています。
併せて、利便性向上や省資源化推進のためにオンラインジャーナル化も進めています。
一般の方や関連企業、行政、報道機関の方々から寄せられる様々な問い合わせに対して、科学的、技術的な面から的確に対応するよう努めています。
2020(令和2)年度の森林総合研究所における問い合わせ総数は1,152件にのぼりました。内容としては、きのこを含む動植物の分類や生態、樹木の病虫害など森林の生き物に関するものが603件、木材の加工利用や耐久性、木材成分や木質バイオマスなど森林資源の利用に関するものが219件、自然災害、森林による二酸化炭素の吸収や固定など森林環境に関するものが85件、里山管理や森林セラピーなど森林の管理に関するものが96件、地球環境に関するものが16件、その他が133件でした。そのうち、マスコミからの問い合わせは477件でした。
なお、森林研究・整備機構のお問い合わせ先は、下記のアドレスから検索することができます。
https://www.ffpri.affrc.go.jp/frmo/contact-frmo.html
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