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立田山昆虫目録 | (目・科・種名) | (採集日・備考付き) | 立田山の昆虫へ |
立田山昆虫目録は2つ用意されています。 |
立田山昆虫目録(電子版)について 森林総合研究所九州支所昆虫研究室 本目録は林業試験場九州支場30周年を迎えるに当たって、昆虫研究室が1976年及び1977年に採集した昆虫によって作製した目録、「立田山の昆虫類」(以下、原リストと呼ぶ)にもとづいている。これは「三十年の歩み(1977)」に掲載されている。今回、検索その他の便をはかるうえで原リストを電子化した。印刷されたものをスキャナーで読みとった上で文字読みとりソフト(OCR)でテキストデータとする方法である。読みとりミスなどは極力修正したが、いまだに誤りが残っていた場合はお許し願うとともに、昆虫研究室までお知らせいただければ幸いである。 下にあげた原リストの前書きに書かれているように、原リスト作成後20年を経た時点で、同様の昆虫相調査を行い、その変遷を知ることができれば有益であるが、残念ながら時間的・人員的制約のため、それを行うことは不可能であった。 原リストで使われていた名称(和名、学名)のなかには、分類的所属の変更などに伴って変更されたものも多い。今回の電子化にあたって、チョウ類については「蝶(白水隆監修,PHP研究所,1994)」、ハムシ類については「日本産ハムシ類幼虫・成虫分類図説(木元・滝沢著,東海大学出版会,1994)」、その他については主に「日本産昆虫総目録(九州大学農学部・日本野生生物研究センター編,日本野生生物研究センター,1989)」に基づいて、できるだけ現在用いられている和名と学名を掲載するよう、原リストを改変した。そのさい、原リストに載っている種で、上記の出版物に対応するものが見いだされなかったものがある。その多くは、原リストで属までしか同定されていないもの(sp.)であるが、他に和名、学名どちらから索引を引いても、上記出版物に対応種が見つからない、あるいは特定できなかったものもある。これらの中には原リスト作成後のシノニム化で消されたものも含まれていると思われるが、今回は原リストのまま掲載した。また科以上の上位分類群への所属についても、これらの出版物にできるかぎり従った。 October,1997 (付:原リストの前書き) 立田山は熊本市にある標高151.6mの丘陵で、周囲を市街・住宅に囲まれた都市林を形成している。この山の昆虫は、大塚勲氏をはじめ熊本昆虫同好会の人達によって調査され、この会の機関紙に断片的に発表されてきたが、今回九州支場30周年記念事業の一環として調査を行なったので、現在までに種名の明らかになった約1,500種の目録を発表する。 この記念事業が企画されたのは1976年春であったので、採集したのはわずか2夏にすぎない。しかも、採集や標本整理は正常な調査研究業務に支障をあたえない程度の小規模でしか行なえなかったので、今後追加される種類はこの何倍かになると予想される。 立田山の昆虫は、九州の低山から平地に広く分布する普通種が大部分を占めているが、マツノアラハダクチカクシゾウムシ、カナムグラサルゾウムシ、コブクチブトサルゾウムシのように日本から最初の記録となるものや、九州、または熊本県からはじめて報告される珍品も多い。sp.としたものには多数の新種が含まれている。 熊本昆虫同好会の過去の記録と今回の結果を比較してみると、タイワンツバメシジミは樹木の生長で食草のシバハギが減少したことで数年前に絶滅し、トラフシジミも最近はとれていない。ジャコウアゲハも姿を見せなくなった。また、大塚氏によると以前はジャノメチョウもいたということでこの10年ほどの間にチョウだけでも4種が姿を消している。この目録は1977年での1断面を記録する意味をもっていると思われるので、今後種の追加や変動などに関する資料を集めながら、都市林としての立田山昆虫相の変化を記録していく予定である。 この目録に使用した標本の大部分は、昆虫研究室に保管してある。 目録の作成にあたり、1976と77年に研修に来ていた鹿児島大学農学部害虫学教室今給黎靖夫氏に採集から同定まで非常な協力をえた。熊本昆虫同好会の大塚勲氏からは、今までの記録や分布などについて多くの御教示をえた。国立予防衛生研究所朝比奈正二郎部長にはゴキブリ類、国立科学博物館黒沢良彦博士にはナガタマムシ属、鹿児島大学永富昭教授にはミズアブ、ムシヒキアブなどアブ類、櫛下町鉦敏博士にはヒメバチ、林業試験場野渕輝博士にはキクイムシ類の同定をお願いした。これら諸先生に厚く感謝する。 |
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