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写真:充実種子選別装置
・発芽率90%以上となる充実種子選別装置の開発に成功し、実機の販売が決定しました。
・コンテナ苗の低価格化に向けた工程管理表を完成させました。また、低価格化に有用な情報を掲載した育苗技術に関するマニュアルを作成しました。。
(工程管理表のページ,育苗技術に関するマニュアル(プロジェクトのページから研究紹介のページへ移動します))
・機械地拵えによる一貫作業システムの拡張や、さまざまな下刈り省力各手法の開発により、それぞれの経費を30%以上削減できる事例を示しました。また、それらの技術を紹介するパンフレットを作成しました。
(関連するパンフレット(プロジェクトのページから研究紹介のページへ移動します))
・上記の結果の組み合わせにより、再造林のいずれの工程においても30%以上の低コスト化の可能性を示すことができました。
・発表業績をまとめました。
発表業績のページはこちらです。
・昨年度までの充実種子選別装置(プロトタイプ)を用いた器機デモンストレーションを全国12カ所で実施し、問題点・改良要望点等を集約して機械の改良を行いました。その結果種子の投入から選別済み種子(充実種子)の回収までの工程を完全自動化し、選別後の種子が発芽率90%以上となる充実種子選別装置を完成させました。
・種子選別機で得られた高発芽率種子による一粒播種及び小型プラグ苗を利用した種苗生産技術について、各実証地(生産者)において作業の省力化率や生産コストを検証しました。そのうえで種苗生産業者による現場での実施状況も反映した作業工程管理表を作成し、それぞれの育苗作業におけるコスト計算ができるようになりました。
・低密度植栽したスギ壮齢林で材質強度及び幹形状の特性を評価し、優良苗を用いた低密度植栽手法により植栽経費30%以上削減の可能性を示すことができました。
・北海道における自走式下刈り機(乗車型及び手押し型)は、従来の肩掛け式刈払機の約2-6倍の効率を示すことが明らかとなりました。また造林地に最適化された下刈り機も開発されました。
・秋田県で提唱されたスギ植栽地における一貫作業後2-3・5年目のみの下刈りの有効性が他県でも確認されました。
・山形県では、ワラビをカバークロップとして用いた場合、ワラビの売り上げを考慮することで従来の下刈り期間6年間では大きく黒字に転じることが示されました。
・安価な近赤外光域分光器を利用した充実種子選別器のプロトタイプが完成し、各種イベントで展示公開しました。
・コンテナ苗生産時における直接一粒播種方式と小型プラグ苗植え付け方式を比較したところ、両手法の低コスト化への寄与は生産規模に依存する事が判明しました。
・大型クラッシャを用いた機械地拵えは、省力化と下刈り回数削減に有効であることが判りました。
・一貫作業システムの導入と下刈り回数の省略により、造林コスト30%削減を実現可能できる可能性が示されました。
・ササ地においては、伐前の除草剤利用と下刈りとを併用することで造林コスト削減効果が高いことが判明しました。。
・平坦地においては、自走式刈り払い機の導入により約0.5ha・日-1の作業が可能となり、省力化に有効であることが明らかとなりました。
・充実種子の効率的選別を図るため、全自動種子選別システムのうち、近赤外分光カメラの較正から試料撮影までの一連の操作を統合した半自動選別機を開発しました。開発した半自動選別機では、「分析・判定」の精緻化が計られており、それを全システムにフィードバックしています。また、システム中の「投入・整列」部分に対して振動フィーダーを開発し、「分析・判定」部分においては、赤外分光器の並列配置による判別処理短縮と低価格化をはかり、「回収」部分に対しては、バキュームタイプ回収部を試作しました。しかしながら本年度内に選別済み種子の供給体勢の確立までには及ばず、コンテナ苗生産コストは明らかにするに至りませんでした。
・低密度で植栽されたカラマツ大苗では、クラッシャで地拵えを行った場合、生成される破砕物によって競合下草植生が抑制され、通常4年間続ける下刈りを完全に省略できる可能性が示唆されました。
・地拵えの労働生産性は、バケットで約400~1140㎡/人時、グラップルで約250-1310㎡/人時、人力で約100~160㎡/人時であり、機械地拵えは人力と比較して3~12倍の生産性となることが明らかになりました。
・ワラビとスギの生育が良好な条件下では、ワラビのカバークロップ効果が発揮され、下刈を1回~2回にすることが可能であることが判かりました。
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