研究紹介 > トピックス > プレスリリース > プレスリリース 2012年 > 木材から放散されるアセトアルデヒドの発生要因を解明 ―エタノールとの接触が引き金に―
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平成24年5月10日
独立行政法人森林総合研究所
ポイント
アセトアルデヒドは自然界において生物の代謝過程で生成する物質であり、人体でも飲酒したときにエタノールが分解される過程で生成することが知られています。また、毒性を有するため、二日酔いの原因物質ともいわれています。一方、アセトアルデヒドは室内空気中に検出されることがあり、シックハウスの原因物質の一つとされていますが、室内にどのような仕組みで発生するのかはよく分かっておらず、解明が急がれていました。私たちは、木材にエタノールを塗るとアセトアルデヒドが発生し、この現象がヒトの体内と同様、アルコール脱水素酵素(ADH)の働きによるものであることを解明しました。これにより、木材とエタノールの接触を防ぐことが、アセトアルデヒドの発生を抑制することに有効であることを明らかにしました。この成果は、Journal of Wood Science Vol.58、No.1(2012年2月)に掲載されました。
予算:文部科学省科学研究費補助金 「木材とエタノールの反応によるアセトアルデヒド発生機構の解明」
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独立行政法人 森林総合研究所 理事長 鈴木 和夫 |
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