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更新日:2010年5月14日

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森林の生き物 Q3

  • Q3 : 紅(黄)葉のしくみを詳しく教えてください。
  • A3 : 植物の緑葉の色が変わることを紅葉と呼びます。多くの場合は赤か黄色に色づきます。これは植物が持つ主要な色素がクロロフィル、カロチノイド、アントシアンの3つであるためです。それぞれ緑色、黄色、赤色をしています。光合成をいとなむ葉緑体にはクロロフィルとカロチノイドが含まれています。古い葉でクロロフィルの分解が進み、緑色に隠されていたカロチノイドの黄色が現れてくるのが黄葉です。古くなった葉の葉柄などに離層ができ、葉と枝の間の物質の行き来が妨げられて、葉に溜まった同化産物からアントシアンが作られるのが紅葉です。黄葉の代表はイチョウ、紅葉はモミジ。カキノキは緑赤黄のまだら模様になります。こうした葉の色変わりは、一般に葉が落ちる前に起きます。一斉に葉を落とす樹木には紅(黄)葉の季節があります。秋や乾季の始まりの頃です。常緑樹は普通一斉には葉を落とさないので目立ちませんが、モッコクなどは年中、樹冠のどこかに赤や黄色の葉を見ることができます。なお、カナメモチなど新葉が赤くなる植物もあります。この赤もアントシアンの色で紫外線から幼い葉をまもるなどの役割があると考えられています。
  • (植物生態研究領域)

 山の紅葉

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