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航空写真とGISを活用した松くい虫ピンポイント防除法の開発

1. 課題の名称

航空写真とGISを活用した松くい虫ピンポイント防除法の開発

2. 研究期間

2006~2009年度

3. 研究体制

中核機関:森林総合研究所 中北理(研究代表者)、中村克典
共同研究機関:秋田県立大学、秋田県森林技術センター、岩手県林業技術センター、共立航空撮影株式会社

4. 研究の背景

松くい虫(マツ材線虫病)による被害面積は減少したというものの、東北地方では今なお大面積の被害が続いている。食い尽くされて被害が下火となった自治体においても、現在使用されている松くい虫防除のための莫大な経費を如何に軽減できるかが大きな課題である。特に、被害先端地域の松くい虫防除事業の難しさは、林内に点在するマツノマダラカミキリ寄生木(要防除木)を高精度に検出し、的確に処理することができていないところにある。事業効果を高め経費を軽減するためにも、この要防除木の発見とその位置への誘導システムを開発することが松くい虫防除事業の中で必要とされている。

5. 研究の目的

本研究では、
(1)空中写真による要防除木抽出技術の開発
(2)位置情報を活用したピンポイント防除法の開発
という2つの中課題を設け、リモートセンシング技術やGPS情報を活用した松くい虫防除技術を開発することを目標とする。

6. 研究成果

  • 松が枯れるときの色変化とマツノマダラカミキリの産卵調査から、最適な空中撮影の時期を明らかにしました。
  • 空中写真から松枯れ木を抽出するときの撮影方法、画像処理方法を明らかにしました。
  • 松枯れ木まで林内を誘導する小型システムを開発しました。

ブレークスルーとなった技術・成果

  • 海岸クロマツや内陸アカマツにおける、松枯れの時間的変化を明らかにしました。
  • 航空写真の撮影から判読解析、画像処理までの具体的手法を示しました。
  • 高精細オルソ画像を用いた現地での林内誘導システムのソフトを開発しました。

普及による国民生活への貢献

  • 松くい虫被害の地域的根絶と防除作業の大幅な効率化が実現できます。
  • 刻々と変化し拡大する被害状況の把握が広域を的確にできるため、迅速な防除計画の実施ができます。
  • 予防散布のように林分全体を対象とする方式から、防除木だけを対象とするピンポイント防除にかわります。

7. 参考資料

8. マニュアル等

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