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平成16年度森林総合研究所関西支所研究発表会

「里山の過去、現在、未来」

  • 日時:平成16年10月20日(水曜日)13時30分~16時30分(13時00分開場)
  • 場所:京都市アバンティホール(JR京都駅八条口前) 京都市南区東九条西山王町31番地アバンティビル9階
  • 主催:独立行政法人森林総合研究所関西支所
  • 後援:京都市教育委員会
  • 参加費:無料(事前申込不要)

プログラム

司会:研究調整官上杉三郎

 開会の挨拶

森林総合研究所関西支所長 河室公康

基調講演

「歴史から読み解くイギリスの景観」(逐次通訳)

オリバー・ラッカム(Oliver Rackham)(ケンブリッジ大学教授フェロー)

イギリスの景観は日本と同じように長い歴史があり、最近までほとんどの農家が作物を栽培し、家畜を飼っていた。何世紀にもわたって発 達してきたイギリスの景観の基盤は、3000年を越える歴史の上に積み上げられたものであるが、20世紀の最後の25年間に、多くの歴史的景観が近代的農 林業によって破壊された。何世紀もの間安定していた唯一の「伝統的」景観というものはないことを歴史を読み解き理解する必要がある。

研究発表

「フィリピンにおける里山研究の現状」(逐次通訳)

イノセンシオ・ブオット(Inocencio BUOT)(フィリピン大学助教授・森林総合研究所関西支所外国人特別研究員)

フィリピンでは最近になって、「里山」の研究が開始された。国内を概観する研究により、フィリピンの里山的な景観が北部ルソン島の稲 作をともなうタイプなど3つに大別できることが分かってきた。そこには、過去の人々が、巧みに地形や気候条件を考慮しながら、それぞれの農耕を選択してき たことが読み取れる。

「地方自治体による里山保全・利用の現状と課題」

田中(森林総合研究所関西支所森林資源管理研究グループ研究員)

近畿地方の地方自治体による里山林の保全・利用の現状についてのアンケート調査の結果、恒久的な条例で里山林の利用・保全を図るとい うよりも、単年度あるいは複数年度の事業で整備を行う事例が多いこと、廃棄物の不法投棄への対応が現状に追いついていないことなど、様々な里山林をめぐる問題が浮き彫りになっている。

「国際的な視野から見た日本の里山の意義」

深町加津枝 (森林総合研究所関西支所森林資源管理研究グループ主任研究官)

自然と文化の複合環境系である里山の歴史や地域性を、国際的な視野で再認識し、丁寧に読み解くことによって、環境を見極めて地域資源を合理的に利用してきたシステムや、その中で培われてきた地域固有の知恵や技術、制度、デザインがより鮮明に浮かび上がってきている。