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来たる12月9日、龍谷大学アバンティ響都ホールにて平成22年度公開講演会を行います。これは、私どもの研究所における研究成果を広く一般の方々に知っていただくための催しで、毎年行っているものです。森林の保全・管理などに係わっている方や、動植物に興味のある方をはじめ、どなたでもお気軽にご参加下さい
長い時間をかけて育っていく森林と、めまぐるしく変化する社会の関係について少し立ち止まって考えてみましょう。(予約不要、入場無料)
「森林(もり)の時間、社会の時間」
森林総合研究所関西支所長藤井智之
チーム長(地域林業経済担当) 山本伸幸
主任研究員(森林資源管理研究グループ) 田中邦宏
木材生産のために針葉樹人工林を育成するには、植栽、下刈り、除伐、間伐といった「施業」を行う必要がある。 中でも間伐は、中間収穫であるとともに、間伐後の林分の成長を左右するものとしても大きな影響を持つ。したがって、間伐と成長量・収穫量との関係を明らかにするため、 固定プロットで長期モニタリングをおこなってデータを蓄積することが欠かせない。ここでは固定プロットにおける長期モニタリングの成果を用いて、「間伐は人工林のバイオマス成長を促すのか」という問題について考えてみたい。
グループ長(森林資源管理研究グループ) 齋藤和彦
ほんの50年前まで日本人は森林に大きく依存して暮らしていた。ヤンバルクイナやノグチゲラ等、 貴重な野生生物の宝庫である沖縄「やんばる」の亜熱帯林も、現在の姿からは想像できないほど人手の入った歴史を持っている。 沖縄は民有林に占める市町村有林の割合が高く、地域と森林と深く関わり合ってきた。ここでは「やんばる」の中核地域である国頭村を事例に、地図や空中写真、文献史料を通して当地の森の歴史を振り返り、 地域との関係について考えたい。
主任研究員(森林資源管理研究グループ) 田中 亘
林業経営は経営主世帯によって代々受け継がれてきた、あるいは受け継がれていくものというイメージが一般的である。しかし、木材価格の低迷から林業が儲からなくなっているため、売りに出される森林も少なくない。また、それと同時に売り手に対して買い手がほとんどいない、という状況も現実には見られる。このような状況下で、ごく一部ではあるが、従来は林業と関わりの無かった者が森林に対して新たに投資を行っている事例もある。 今回は、そういった新規参入者による新たな森林投資について、所有と時間(継続性)という観点から考察する。
チーム長(地域林業経済担当) 山本伸幸
森林に関係するステークホルダー(利害関係者)は、森林所有者、素材生産業者、森林組合、木材市場、木材産業、地域住民、 市民、そして政府というように数多い。その中で、育林から伐採まで数十年間の超長期の時間を要する林業生産に携わる森林所有者と、 短期間に変動する経済への対応を常に迫られる木材産業の間に、森林資源利用を巡る深い溝のあることは、 多くの国の歴史が物語るところである。両者の適切なバランスをとることはなかなか困難な問題であり、 森林の持続的利用を古くから脅かしてきた。いま、日本の森林と産業が直面しているのも、まさにこの古くて新しい問題といえる。そこで、近年の日本と世界の林業事情などを通して、 森林と産業の間に横たわるこうした困難性について考えてみたい。
温室効果ガス排出削減のため、公共交通機関によるご来場にご協力願います。
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