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効率的な苗生産を実現するためには、種子の発芽率の向上と共に、播種作業の効率化や播種ー発芽期間の短縮、さらに施設利用の通年平準化についても解決する必要があります。本小課題では、小課題(1)で選別した充実種子について、播種種子の90%以上を、播種から3週間以内に発芽させる技術を開発します。
またスギ、ヒノキ、カラマツに適した自動播種装置の導入、閉鎖型育苗施設を利用した精度の高い環境制御により高品質の小型プラグ苗の計画的な大量生産・供給体制を確立します。さらに、閉鎖型育苗施設の回転率を向上させるために、1年を通じた小型プラグ苗生産の可能性を検証します。併せて、グルタチオン施用による発芽勢の早期化・均一化と形状比制御の可能性を検証します。以上により、苗木生産の低コスト化と苗木供給能力の拡大を目的としています。
小課題毎の研究計画(おおよその実施項目箇条書き)
1.選別済み種子をコンテナ苗生産者に配布し、実際の苗生産工程を評価する。播種作業は、手作業と、一粒播種機(簡易播種機)を用いる方法を比較する。
2.閉鎖型育苗施設を試作し、環境制御することで、苗の成長にバラツキを発生させず高品質の小型プラグ苗を大量に生産する手法を開発する。
3.閉鎖型育苗施設において生育した小型プラグ苗をコンテナ苗生産者に配布し、コンテナ苗の生産コストを試算する。コンテナへの直接播種と小型プラグ苗の移植での作業性およびコストを比較する。
4.小型プラグ苗を利用するために移植作業を簡易にする技術開発を行う。
5.グルタチオン施用による発芽勢や苗の形状比、成長への影響を明らかにし、ばらつきの少ない高品質苗の生産のための適切な施用量を定量化する。
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