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更新日:2024年3月28日

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令和6(2024)年度日本森林学会賞(山浦 悠一)

 

1.受賞名 令和6(2024)年度日本森林学会賞(受賞日:2024年3月9日)
2.受賞者の氏名、所属

山浦 悠一(森林総合研究所 四国支所)

3.受賞理由

生物多様性の保全に配慮した森林管理の林分レベルでの施業方法や景観レベルにおける配置に関する研究成果が評価された。

4.受賞対象研究の紹介

【業績の名称】

自然保護区からモザイク管理へ ―保持林業と景観配置―

人類の持続的な発展が求められる中、林業分野において生物多様性の保全は重要な社会的課題となっている。近年、保全科学では自然保護区の役割の限界が認識されるようになり、分野の焦点は保護区外を含めた景観全体での保全活動へ移りつつある。こうした状況で受賞者が出版した二本の論文は、生物多様性の保全に配慮した森林管理の林分レベルでの施業方法や景観レベルにおける配置に示唆を与える点が評価された。具体的には、針葉樹人工林が広がる日本の森林景観においては、人工林で広葉樹を伐採せずに残す保持林業が有効で、保持林業を保護区の周囲や保護区間を連結するように実施することの便益を示している。戦後造成された人工林が主伐期に入った現在、一連の成果の意義は大きいと考えられた。

 

【受賞論文】

Sharing land via keystone structure: Retaining naturally regenerated trees may efficiently benefit birds in plantations
Ecological Applications 33(3):e2802

DOI:10.1002/eap.2802(外部サイトへリンク)

(森林総合研究所プレスリリース)

わずかな広葉樹の大きな役割 —人工林内の広葉樹の保持は効率的に鳥類を保全する—

 

From nature reserve to mosaic management: Improving matrix survival, not permeability, benefits regional populations under habitat loss and fragmentation
Journal of Applied Ecology 59(6):1472-1483

DOI:10.1111/1365-2664.14122(外部サイトへリンク)

(森林総合研究所プレスリリース)

保護区外での生物の保全の考え方を提示 ―農林業をしながら生物多様性を効果的に保全するために―

 

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