課題３：成長に優れた苗木による施業モデルの構築

このプログラムは、web上でラスタ画像を解析するプログラム GeoTIFF.IO をベースに、TWIのラスタ画像（WGS84測地系（EPSG: 4326）のgeotiffフォーマット）から地形に応じた植栽苗木の成長速度を推定し、植栽から10年後までの他植生との競合状況を推定します。なお、現バージョンでは苗木の成長関数が完成している九州地方のスギのみ利用可能です。また、九州地方のTWIメッシュデータについてはこちらで公開しています。

使い方

1. まず、対象とする地域のTWIのGeoTIFF画像を用意してください（TWIメッシュデータ配賦ページから入手したローカルのファイル、オンラインアドレスのいずれでもOK。スタート画面では、デモ用に熊本県人吉市のTWI GeoTIFF画像のURLを用意しています）。
2. プログラム開始時に、用意したラスタ画像を読み込みます（後から画面左のメニューを用いて読み込むことも可能）。
3. 開始時にラスタ画像を読み込むか、画面上の適当な位置をクリックすると、メニュー（左側）と地図（右側）が表示されます。ラスタ画像を読み込んでいない場合は、「GeoTIFFロード」であらためてラスタ画像を読み込んでください。右側の地図上に読み込んだラスタ画像が透過レイヤとして表示されます。左メニューの「ピクセル値参照」は読み込んだラスタ画像をクリックすることでその地点のTWI値および通常苗と優良苗が2mを越えるまでの推定年を表示します（注:あらかじめラスタ画像を読み込んでおく必要があります）。
4. 画面左のメニューの「エリア参照」をクリックし、1 「計算範囲の選択」、2「樹種・地域の選択（プルダウン選択。現Verでは九州地方のスギのみ選択可能）」、3「競合植生の選択（プルダウン選択）」、4「植栽苗高の設定（スライダ設定）」、5「植栽時の施肥等の処理の有無（現在使用不能）」、6「下刈りスケジュール（ラジオボタン設定。オレンジが下刈り有り、白が下刈り無し）」の順に設定してください。
• 計算範囲の選択は、「長方形」または「ポリゴン」を選択したうえで画面右の地図上で選択するか、WGS84測地系（EPSG: 4326）のGeoJSONファイル（例えば林班エリアベクタ画像など）を読みむことができます。「競合植生の選択」はプルダウンメニュー、「下刈りスケジュール」はラジオボタンになっています。
5. 「計算実行」をクリックすると、地図上に指定した計算範囲におけるTWIの平均値と最大・最小値、および計算範囲のTWI平均値に基づく植栽から10年目までの苗木の樹高推定値と競合植生高推定値の表が表示されます。苗木の樹高と競合植生高の関係に従って、数値の色を変えています。
   • 表・グラフともにメニューの値からインタラクティブに生成されていますので、競合植生タイプや下刈りスケジュールを変えることで値が変化します。
   • 表の下に苗木の樹高と競合植生高のグラフも表示できます。なお、各年に苗木が競合植生に被圧されている場合は、同じサイズの苗木の70%の成長速度になり、さらに被圧状況が連年で生じる場合は成長抑制効果が積算すると仮定しています。

その他： 画面右側の地図は、国土地理院の地理院地図（標準・白地図）、OpenStreetMapに加え、シームレス地質図（産総研）、及び土壌図（農環研）をオプションレイヤとして表示することが可能です（それぞれの図の凡例はオリジナルサイトを参照願います）。

※ このプログラムは、ブラウザ上での利用を目指して、javascript (+React) で作成しています。基本的な計算等は全てローカルデバイス上でで行いますので、一度アクセスしてキャッシュファイルが作られれば、キャッシュが有効な限りオフライン環境でも実行が可能です。

免責事項など

本プログラムを用いて得られた利益または損害に関して、作者ならびに（国研）森林総合研究所はいかなる責任も負いません。利用に関しましては、自己責任でお願いします。