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更新日:2010年5月14日

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森林の環境 Q2

  • Q2 : 日本の森林にも酸性雨は降っているのでしょうか?
  • A2 : 欧米の一部では森林の衰退が酸性雨によるものではないかと心配されました。日本の森林に降る雨を調べてみると、欧米に匹敵する酸性な雨がしばしば観測されます。これは大気汚染物質が溶け込み硝酸や硫酸となり、雨を酸性にしているためです。しかし、1990年代の日本各地のモニタリング調査では90年代前半より後半の方が酸の成分が少なくなってきており、人間の活動による環境汚染は緩和傾向にあります。関東平野は産業活動や人口が密集する地域ですし、農業活動も盛んであり、人為的な環境汚染が日本で最も進んだ地域です。関東周辺の山地の渓流水の水質を調査すると、硝酸の濃度が高いことがわかり、人為的な汚染との関係が疑われます。幸い現在のところ、この山域で広域の森林衰退は認められていません。しかし、このような人為活動が自然環境に及ぼす影響は監視していく必要があります。
  • (立地環境研究領域)

     

1990年代の全国の梅雨期における降水中の硫酸濃度の平均値

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