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更新日:2010年5月14日

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森林の環境 Q4

  • Q4 : 間伐は水流出にどう影響しますか?
  • A4 : 間伐が水流出に及ぼす影響には、森林の地上部の変化に伴う降雨遮断量、地表到達量、蒸散量などの直接的変化と、土壌構造の長期的変化に伴う浸透・保水性、流出量などの間接的変化があります。下図は、31年生ヒノキ人工林が間伐(本数で50%)により、林分全体として蒸散量、遮断量などが減少し、林外雨量に対する水分量の差し引きとして、林地への到達水量は増えることになり、土壌保水量の増加が期待できます。しかし、間伐をしても、樹冠の疎開度によっては、残された樹木からの蒸散量や地表面からの蒸発量が増加する場合があり、さらに下層植生が増えることによって蒸散量も増加しますので、林分全体としての水分消失はあまり減少せず、土壌保水量はあまり増加しない場合もあります。
  • (水土保全研究領域)

間伐前水流出の収支 昭和55年
間伐後の水流出収支 昭和60年
(近嵐ほか、1987)

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