森林の環境 Q5
- Q5 : 土砂災害にはどんなものがありますか?
- A5 : 土砂災害とは、豪雨や地震により山崩れ、地すべり、土石流などが発生し、人間生活に被害を及ぼす災害をいいます。このうち山崩れとは、急斜面の表層の土が長雨や豪雨の影響で弱くなり急激に動き出す現象です。地すべりは、緩い斜面の厚い土が比較的ゆっくりと移動する現象で、一般には雨や雪解け水の影響で発生しますが、平成16年の新潟県中越地震では激しい地震によって動いた例が注目されました。土石流は、山崩れや地すべりによって動き出した土や岩が、水を多く含んだ状態で急速に流れる現象をいいます。このように土砂災害によって、家や道路が壊されたり人命が失われたりします。特に、土石流は秒速数メートルというスピードで流れるため避難の余裕がない場合が多く、非常に危険です。森林総合研究所では、崩壊土砂が流動化するメカニズムを研究するため、実際の山の斜面で流動化実験を行い成功しました。
(水土保全研究領域)

写真:茨城県加波山で行われた実験の様子(2003年11月14日)