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更新日:2010年5月31日

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森林資源の利用 Q13

  • Q13 : どうしてマツタケは人工栽培をすることができないのですか?
  • A13 : きのこはその栄養の取り方から主に菌根菌と腐生菌に分けることができます。マツタケは菌根菌で、マツなど特定の樹木と共生の関係にあり、樹木の生きている細根の細胞の間に菌糸を侵入させて根と菌糸が一体になった構造の菌根をつくり、菌根を通して樹木から光合成によってつくられた糖類などの炭水化物を栄養分としてもらい、代わりに樹木の根に土壌中から吸収した窒素、リン酸、カリウム、無機塩類、水分などを与えています。シイタケ、ナメコ、エノキタケなどの腐生菌は植物の遺体などを分解し、栄養分を吸収して生活しています。菌根菌は腐生菌から進化したものと考えられていますが、菌根菌のすべてが一様に進化した訳でなく、樹木との共生関係は非常に多様であることが分かっています。菌根菌の中にはホンシメジのように腐生菌の性質を残していて栄養源となる培地を工夫することによってきのこをつくることのできるものもありますが、マツタケでは植物の根を使わない純粋培養による栽培できのこ生産に成功した例はありません。

(きのこ・微生物研究領域))

 

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