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更新日:2022年8月4日
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亜種キュウシュウエナガ↑
エナガ(エナガ科)
Aegithaloscaudatus
エナガはユーラシア大陸に広く分布する小鳥で、日本では北海道から九州まで生息します。全長は約14cmですが、尾羽が長く体長の半分近くを占め、体が小さいのが特徴です。頭部は白色ですが、眉斑は太くて黒く、背中から翼まで黒い模様が続いていて、肩の付近と腹部下面は薄い赤茶色をしています。チュリリ、ジュリリと聞こえる声で鳴きます。
地域によって亜種が分かれ、日本では亜種シマエナガが北海道に、亜種エナガが本州に、亜種キュウシュウエナガが四国と九州に、亜種チョウセンエナガが対馬に生息します。北海道の亜種シマエナガでは、眉斑がなくて頭部全体が白く見えます。
四国では平地から山地の森林に留鳥として生息して、樹木の枝先で昆虫やクモなどを捕食したり、果実や種子を食べたりしますが、アブラムシのような小さな昆虫を捕食することがよくあります。春から夏にかけて繁殖し、巣立ち後はいくつかの家族群が集まって、群れで行動するのがよく見られます。秋から冬の非繁殖期には、コゲラ、シジュウカラ、ヤマガラ、メジロなどとともに混群を形成して一緒に行動します。
和名は長い尾を柄杓の柄に見立てたことに由来します。
2022年7月25日森林総合研究所四国支所(高知市朝倉西町)にて撮影
(写真と文:佐藤重穂)
本記事公開日:2022年8月4日
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