ホーム > 研究紹介 > 研究成果 > 今月の一枚(No.283~) > No.303:オモト
更新日:2022年3月11日
ここから本文です。
赤い実をつけるオモト
オモト(キジカクシ科)
Rohdeajaponica
オモトは常緑の多年草で、国内では本州(関東以南)、四国、九州、南西諸島に分布します。海外では中国、台湾などにも自生します。かつては広義のユリ科に分類されていましたが、現在ではキジカクシ科とされています。
四国では平地から標高1000mを越す山地まで見られ、森林の林床に生育します。細長く厚みのある葉が根元から生え、30~50cmくらいまで伸びます。5月から7月頃、葉の間から花茎が伸び、淡黄緑の小さな花を円筒状につけて、秋から冬に赤い実がなります。
陸生貝類(カタツムリの仲間)によって花粉が媒介され、果実を食べる鳥類によって種子が散布されると言われています。
オモトは漢字で「万年青」と表記しますが、これは葉が常緑性であることに由来します。冬でも葉が枯れないことから、めでたくて縁起のよい植物とされ、日本では古くから観賞用として栽培されました。特に江戸時代中期にはオモトの栽培が非常に流行して、多くの園芸品種が作出されました。現在でも多くの品種が栽培され、登録されているものだけで1000品種以上あるということです。
2022年1月22日高知県土佐清水市にて撮影
(写真と文:佐藤重穂)
WildRhodea(Asparagaceae)
Rohdeajaponica
22Jan.2022.Tosashimizu,Kochi
本記事公開日:2022年2月14日
お問い合わせ
Copyright © Forest Research and Management Organization. All rights reserved.