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更新日:2022年3月11日
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ピンクの花をつけるサルスベリ
サルスベリの円錐花序(2021年8月30日撮影)
サルスベリの花で花粉を食べるルリマルノミハムシ(2021年8月11日撮影)
Lagerstroemiaindica
Nonarthracyanea
サルスベリは中国南部原産の広葉樹ですが、日本には江戸時代より前に渡来して栽培されてきました。7月から9月頃に淡紅色もしくは白い花を咲かせます。円錐花序と呼ばれる花の集まりが目立つため、庭木として好まれます。
樹木が成長するにつれて、幹の樹皮の外側にあるコルク層が剥がれ落ちて、すべすべした木肌になるため、木登りの上手な猿でも滑るという意味の和名がつけられました。なお、漢字では「百日紅」の字があてられますが、これは花の咲く期間が長いことに由来します。緑化樹として利用されるほか、材は硬くて重いため、線路の枕木として使われてきました。
サルスベリの花を観察するために採取したところ、小さな黒っぽい虫が何匹もついているのが見つかりました。虫を捕まえようとすると、ぴょんと跳ねて逃げます。
ルリマルノミハムシという甲虫の一種で、北海道から九州までの各地に分布する虫です。体長は4mm程度で、春から秋まで見られます。成虫はハルジオン、タンポポなどの草花やサクラ、ウツギなどの樹木の花のどちらにも訪れて、花粉や蜜を食べますが、バラやマリーゴールドなどのつぼみや花弁も加害することから、園芸害虫として扱われます。
ハムシは「葉虫」で植物の葉を食べる虫ですが、本種の幼虫はスギゴケ類を食べることが知られています。跳ねて逃げるので、「ノミハムシ」と呼ばれます。
写真・文:佐藤重穂2021年8月森林総合研究所四国支所(高知県高知市朝倉西町)にて撮影
Crape-myrtleandaspeciesofleafbeetleNonarthracyanea
11Aug.2021.Aakura-nishimachi,Kochi
(photobyS.Sato)
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