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ホーム > 研究紹介 > 研究成果 > 今月の一枚(No.283~) > No.299:ルリマルノミハムシ

更新日:2022年3月11日

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今月の一枚(No.299):ルリマルノミハムシ

ピンクの花をつけるサルスベリ

ピンクの花をつけるサルスベリ

サルスベリの円錐花序

サルスベリの円錐花序(2021年8月30日撮影)

サルスベリの花で花粉を食べるルリマルノミハムシ

サルスベリの花で花粉を食べるルリマルノミハムシ(2021年8月11日撮影)

サルスベリ(ミソハギ科)

Lagerstroemiaindica

ルリマルノミハムシ(ハムシ科)

Nonarthracyanea

ルスベリは中国南部原産の広葉樹ですが、日本には江戸時代より前に渡来して栽培されてきました。7月から9月頃に淡紅色もしくは白い花を咲かせます。円錐花序と呼ばれる花の集まりが目立つため、庭木として好まれます。

木が成長するにつれて、幹の樹皮の外側にあるコルク層が剥がれ落ちて、すべすべした木肌になるため、木登りの上手な猿でも滑るという意味の和名がつけられました。なお、漢字では「百日紅」の字があてられますが、これは花の咲く期間が長いことに由来します。緑化樹として利用されるほか、材は硬くて重いため、線路の枕木として使われてきました。

ルスベリの花を観察するために採取したところ、小さな黒っぽい虫が何匹もついているのが見つかりました。虫を捕まえようとすると、ぴょんと跳ねて逃げます。

リマルノミハムシという甲虫の一種で、北海道から九州までの各地に分布する虫です。体長は4mm程度で、春から秋まで見られます。成虫はハルジオン、タンポポなどの草花やサクラ、ウツギなどの樹木の花のどちらにも訪れて、花粉や蜜を食べますが、バラやマリーゴールドなどのつぼみや花弁も加害することから、園芸害虫として扱われます。

ハムシは「葉虫」で植物の葉を食べる虫ですが、本種の幼虫はスギゴケ類を食べることが知られています。跳ねて逃げるので、「ノミハムシ」と呼ばれます。

写真・文:佐藤重穂2021年8月森林総合研究所四国支所(高知県高知市朝倉西町)にて撮影

Crape-myrtleandaspeciesofleafbeetleNonarthracyanea

11Aug.2021.Aakura-nishimachi,Kochi

(photobyS.Sato)

本記事公開日:2021年9月1日

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所属課室:四国支所地域連携推進室 

〒780-8077 高知県高知市朝倉西町2-915

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